(7)治療<外部照射の方法>
放射線治療の第二弾です。
今年6月に行った小線源治療の後は、外部照射の治療を受けます。
放射線を出すシードを前立腺に埋め込んで、内部から治療することで、「内部照射」と呼びますが、今度は外部から照射するので「外部照射」と呼びます。
私の場合は、1日1回を25回、月曜日から金曜日まで祝日を除き、連続で照射します。
つまり週5回を5週間続けます。
滋賀県の病院ですので8月2日~9月6日まで入院しての治療となります。
◆Novalis Tx
私の外部照射治療に使用した機器は、ドイツと米国で共同開発された「Novalis(ノバリス)Tx」というものです。
高精度放射線治療システム(リニアック)という装置で、対象は全身、がんを切らずに治します。
装置自体が回転し、4方向から照射します。
正確な放射線照射を行うため、CTやMRIで得られた情報をもとに、三次元治療計画を立て、患者毎の樹脂製の固定具(シェル)で位置合わせを行い治療を行います。
S医大では2010年より導入、価格は7億5千万円で、最近行ったバージョンアップに8千万円かかったそうです。
照射精度が正確な分、健康組織への被ばく線量を軽減でき、また腫瘍に合わせて、形状の変化や強弱をつけられます。
強度変調放射線治療(IMRT)の機能も持っていますが、私の場合はその機能は利用しておらず、リニアックとして治療をうけました。
治療時に見ていると放射線が発射されるところが、4回の照射の都度形が変化しているのがわかります。
また治療時の患者の位置をX透視装置と赤外線監視カメラで正確に特定できるようで、そんな雰囲気がいくつかのモニターに映し出されています。
この装置は旧型では10x10cmだった照射範囲が22x40cmまで拡大し、より大きながんに対応でき、適応部位も拡大されているそうです。
私のがんはそんなに大きくありませんが、画像では見えない転移があった場合の予防的な意味で全骨盤にも照射していますので、その大きさが有効だったのかもしれません。
コンピューター計画時との誤差はわずか0.1mmで、さらに呼吸同調システムも装備しているそうです。
私の治療にはどこまで使用されていたかはわかりませんが、非常に高精度、高機能、高額な装置です。
治療中にスタッフにお願いして、記念撮影してもらいました。
私の後ろにあるのが「NovalisTX」で、25回の照射を受けました。
毎日9時~10時位にインターホンで呼び出された後、実際の治療は装置に寝そべっているのが5分ほど、その間に1回が5秒ほどの照射を角度を変えながら4回照射します。
治療は痛くもかゆくもありません。
私専用の樹脂製の固定具(シェル)。
中央部分におしりを乗せ、右側が足となります。
事前にT字帯(ガーゼでできたふんどし)を付けて臨みます。
手前の2本の黒い線がフリーハンドのマジックで書かれたもので、足の付け根の外側の「+」のマジックと合わせますが、合わせ方も結構おおざっぱ、固定もゆるゆるでした。
そのことを質問すると、私の場合は小線源治療で高精度で内部照射していますので、あえておおざっぱに当てているそうです。
この放射線治療は同じ箇所には一生で一度しか受けられないので、私の固定具は間違いなく処分されていると思います…。
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