(5)治療<小線源治療>
昨年の6月にがんが発覚、1年経ってやっと本格的な治療に入ります。
その間にお袋との別れもあり、精神的に辛かった日々。
過ぎてみればあっという間でした。
がんの治療でもっとも大切なことは、最初の治療で確実に完治させることです。
今年が勝負、全力投球です。
でももう神様は決めているのかな?
治療方法が決まり、乗っかるしかないのですが…。
昨年8月から行っていたホルモン治療で前立腺を小さくし、その次に行うのが小線源治療です。
この治療は、放射線の入ったチタン製シード(直径1mm 長さ6mm)を前立腺に埋め込んで、がんの至近距離から放射線を照射するものです。
◆2016年6月3日<プレプランの日>
プレプランとは、小線源のシードを埋め込む手術の2週間前に外来にて行う事前調査です。
直腸に挿入したエコーで前立腺の形態を3次元的に解析してコンピューターに取り込みます。
このデータをもとにシード線源の配置や使用線源数を決定、その後にシードをアメリカに発注、2週間後の到着を待ってすぐに手術です。
いよいよ治療が始まった実感です。
◆6月10日<初めての写経>
山の友(O先輩)が亡くなり、その際の納骨時に使用する写経を頼まれました。
写経は経験がなく心配でしたが、やってみてとてもよいものだということがわかりました。
故人のこと、お袋のこと、自分の病気のことを思いながら…。でも没頭できました。
予定より多い5枚が無事完成しました。
◆6月11日<最後の?ハイキング>
いよいよ手術が来週にせまり、最後のハイキングを高御位山へ。
有名なササユリは終わりかけでしたが、展望もまずまずで楽しめました。
今度いつ行けるかな?
そう、再開も高御位山にしよう!などと思いを巡らせながら…。
副作用さえ軽ければ9月に行けるだろうか?
◆6月12日<仕事や畑>
来週からの1週間の入院に備えて仕事や農園の夏野菜の準備を済ませます。
周辺からも励ましのお言葉がとてもうれしく感じます。
頑張るぞ❗
◆6月20日<入院(手術前日)>
入院先の滋賀県まで家内も同行してくれました。
主治医のO医師と手術前の注意を聞きます。
まあ本題は最初の5分ほどで、その後は先生の人生観や現在の職場の出来事等を2時間ほどたっぷりお話しをしました。
技術、知識、経験、実績はもちろん、正義感あふれる人間的にもとてもよい方だということがわかりましたが、相当お忙しい中の長時間のお話はありがたいです。
この医師なら命を預けられるし、この医師でダメならどこへ行ってもダメだったという事を強く感じました。
明日が手術。でも少し緊張します。
本日の昼飯以後、翌々日の朝まで絶食です。
ちょっぴりうれしい初めての個室。
◆6月21日<手術当日>
いよいよ手術の日。手術前の準備で慌ただしく、また緊張している中、あと1時間で開始という時に北朝鮮がミサイルを発射したらしいニュースが…。
ホントに勘弁してほしいです~。
手術は1時間40分で終了。
麻酔の針3本がちくっとしただけで、痛みはまったくなく、手術室に流れるBGMを聞きながら留置されていくシードの画面を見ながら冷静でした。
シードは51個埋め込みました。その内4個は精嚢にも。
生検よりずっと楽。これでワンステップ進んだ。これで助かるのか…?
ところで今回は初めて個室に入院です。
自慢ではなく、放射線を扱うための強制ですので保険適用なんです。
日本の法律で2日間ほど部屋を出られません。
また入室は家族でも禁止です。
そのため部屋のドアの内外に「放射線管理区域」の看板が付けられます。
病室のドアの内側。
前日までなかった「注意!許可があるまで病室から出られません」の貼り紙。
同じく外側。
「放射線管理区域」、「入室禁止」の貼り紙。
◆6月22日<手術翌日>
手術翌日、朝から歩けるますがカテーテルもついていて尿は管を通して出ています。
血尿は徐々におさまってきましたが、外出は禁止です。
個室にはLanのモジュラージャックがついていてパソコン、ネットやり放題。
なのでついメールや携帯でちょっと仕事。(これがダメなのかなあ)
◆6月23日<退院>
手術から2日目、退院の日です。
歯磨き中や水を思うと尿を漏らしてしまいます。病室は3秒でトイレに行けるのに、3回ほどしくじってしまいました。
まあ数日で改善すると思いますが、とても情けない…。
体から出る放射線量が1m離れた地点で1cmあたりの線量が1.8μSv/h以下であるかを計測し、よければ放射線管理区域の制限が解除され、病室から出られます。
(挿入したシードに入っているヨウ素125は2ヶ月で半減、1年でほぼ無くなります。飛行機に乗ってあびる放射線よりも少ないもので、もちろん周囲に悪影響のある線量ではありません。もちろん家族にも)
結果は、予定通り3泊4日で退院できました。
ところが電車、バスを乗り継ぎ自宅まで3時間。尿が心配でしたがトイレのある車両を選んだりして事なきを得ました。
◆6月24日<自宅療養>
4日間の入院後、1日自宅療養。血尿、血便は少しありますが、のんびりと休暇を楽しませてもらいました。
◆6月27日<1週間ぶりの出社>
なんとなくみんなの目線や空気があたたかく感じます。検査入院などと理由を付けていましたが、たぶん摘出手術をしたと思われているかも?
(休暇で迷惑をかけて申し訳ないです)
次の治療は外部照射が1ヶ月後に始まります。
それまではほぼ日常業務、生活ができます。
体は従来からさらなる頻尿等の変化がありましたが、前に進んだことで気持ちは少し楽になりました。
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