(3)治療方法の選択
流れにまかせるか?
宣告の後、まずはホルモン治療をスタートさせました。
N医療センターの計画では、ホルモン治療(注射と投薬)で前立腺を小さくした後に放射線治療を行うとのこと。
このまま黙っていれば自動的にこの流れに乗ります。これでよいのか…?
悩んだ理由の一つが主治医のN医療センターのS医師の対応ぶりです。
このS医師は常に忙しさを前面に出すタイプに感じており、とても命を預ける気になりません。
まあ医師が悪いのではなく、病院の体制が問題と思いましたが本当のところはわかりません。(患者が多すぎる?)
前立腺がんの治療の選択肢は他と比べて多い方ですが、それぞれのリスクに対してはそんなに多くありません。超ハイリスクの私に合うのは…?
1.PSA監視療法…主に高齢者向けのため、対象外
2.全摘出手術…精嚢への浸潤があり、対象外(手術不可能)
3.小線源治療…中間リスクまでしか対応できないため、対象外
4.ホルモン治療後にIMRTやIGRTによる放射線治療(外部照射)…対象
5.粒子線治療…保健適用外で300万円の負担を要するが、対象
6.小線源治療(内部照射)+外部照射+ホルモン治療…対象(別名トリモダリティ)
7.化学治療(抗がん剤)…転移があればこちら、現状では対象外
8.その他(HDR、HIFU)…一般的でない
もう一つ重要なことは、放射線治療は一生で1回しか受けられないということ。(別な部位は受けられますが)
全摘出した場合はその次に放射線治療が可能であり、一般的に医師もそういう進め方をする場合があるようです。
しかしがんの場合は初めの治療がその後に大きな影響を及ぼします。つまり1回目に全力投球すること重要で、大きな決断が必要です。
結局、私の場合は選択肢は4~6項の3種類です。
現行の主治医であるN医療センターのS医師に継続してお願いするなら、「4.ホルモン治療後にIMRTやIGRTによる放射線治療(外部照射)となります。
※後で分かったことですが、この治療では5年生存率は90%を超えますが、その後の再発率は50~70%以上となるようです。
宣告から1ヶ月(今から1年前)では、このような選択肢を冷静に検討できる知識はなく、どうすればよいのか、どう調べるのか、転院などできるのか、まったくわかりませんでした。
情報は同じ病気の先輩に聞くか、書籍やネットなどになります。
・先輩…全摘出手術をされた方や、家族が同じ病気の方に聞きましたが、進行具合が近くないとあまり参考になりません。
・書籍、ネット…こちらは大活躍です。
多くの書籍を購入したり借りたりしましたが、たまたま購入した本(写真)がとても参考になりました。
この書籍の情報からネットを利用し、たどり着いたところがS医科大付属病院のO先生(教授)です。
さっそく病状を直接メールしたところ、「11月に予約を取っておいたので、現在かかっているN医療センターでの検査データ(画像データや生検時のプレパラート)を持参し来て下さい」とのすみやかで丁寧な返信をいただきました。
すぐさまN医療センターにデータ作成を依頼し、持参の上診察を受けたところ、「根治可能です。但し転移がなければ…」とのお言葉をいただきました。
ちなみに初診の日、受診前に読んでおいて下さいと渡された書籍が同じ上記の本でした。(O先生のことが掲載されていますので…)
こちらでの治療内容は上記選択肢の6.項の「小線源治療(内部照射)+外部照射+ホルモン治療(別名トリモダリティ)」です。
さらに外部照射では全骨盤照射も可能であるとのこと。
それを担当するのが放射線科のK医師で、O医師とのチームワークがすばらしいとの評判です。
外部照射はがんのある前立腺に外部から照射するのはもちろん、予防的に骨盤やその付近のリンパ節にも照射を行うものです。
私の場合は画像での転移は確認できませんが、骨盤への転移やリンパ節転移の可能性が充分にあるためです。
ちなみに全骨盤照射は地元の兵庫県ではできない治療だそうです。
ところがその治療は現在120人待ちで開始は1年先になると…11月に初めての診察を受けてから、治療開始は翌年の12月!
O先生はその間のがんの進行は大丈夫とのことでしたが、年齢も58歳と比較的若いため不安が増します。
結局、キャンセルが出たとのことで7月開始できるとの情報を得ました。
治療は、S医科大付属病院「O先生によるトリモダリティ」に決定!
この間、母親が亡くなりました。
葬式の日には隣に座っている父親よりも私の葬式が先かなと思っていましたが、O先生に出会ってからは、ぼんやりと寿命が少し伸びるかなと感じました。
この病院には、泌尿器科の医師は15名程度おられますが、この治療はO先生のみで行われております。
O先生が神様のような存在に思えてきました。
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